クラシックなタキシードをお探しならオーダーメイドで。美しいシルエットでお作りいたします。
ここ数年に比べ今年はご結婚式を開きやすい環境となり、EGRETでもタキシードのオーダーのご依頼が増えてきております。
一般的にはまだまだタキシードをレンタルされる方は多いなか、お客様がオーダーされる理由としてよくお聞きする話は、新婦様のドレスは素敵なものが多いのに、新郎様のタキシードが気に入ったデザインが少なかったり、サイズが納得いかないというものでした。拘りを追求していくと、オーダーの道に進まれていくのは自然の流れです。
また、もともと海外との交流があられその後の着用があられる方等は尚更オーダーをお勧めいたします。
新しさを目指しトレンドを追いかけた洋服を作れば、数年後には古い見た目の洋服となってしまいますが、奇をてらわずクラシックにお作りしたタキシードは若干の体型の変化くらいであればサイズをお直しし長くご愛用頂けるものとなります。英国チャールズ国王は補修をしながら50年 (!!) 着用されている洋服もあるそうです。
オーダーメイドでクラシックなタキシードを
タキシードを作る際にまずお決めいただくのは生地。どういうイメージのタキシードにするかは生地によるところが大きいです。
クラシックさを追求するのであれば、色は黒かミッドナイトネイビーで間違いありません。ミッドナイトネイビーとは暗いところで黒よりも黒く見えるようにと作られた色です。
こちらが黒とミッドナイトネイビー。光の加減でやや明るく見えておりますが、店頭でお見せする際には皆様黒と見間違われるくらいに暗い色味です。
黒にしろミッドナイトネイビーにしろ、織り方は何でも良いという訳ではなく、クラシカルなのはバラシアとタキシードクロスです (冬用にドスキンもあります) 。
上がバラシア、下がタキシードクロス。バラシアは斜子織りという平織りの変形で織られた生地で、ウール100%のものだけでなくモヘアが混織されているものもあります。タキシードクロスは現在礼服で最も使われている生地で、毛羽立ちが少なくさらりとした質感です。
こちら自分用に仕立てたタキシードです。身体を包み込み丸いシルエットが綺麗でお気に入りでございます。生地はSMITH WOOLLENS “DRESS & FORMAL WEAR”の中から、ミッドナイトネイビーのバラシア 目付435gのものを使用しています。目付が比較的重いものを選んでおりますが、首から肩に沿わせて作成する為着用すれば重さを感じさせません。逆に物として軽い洋服でも身体にあっていないものは着ると重く感じるものです。
下襟 (ラペル) の形はショールカラー、ピークドラペルとありますが、ピークドラペルの方が汎用性が高いように感じます。ショールカラーはホスト側の印象がややあり、参列側に回った際などは使いにくいかと思います。ちなみに下襟に拝絹 (シルク) が使われているのは昔の洋服の名残で、昔は裏地にシルクを使われていてそれが裏返って見えるため、こういったデザインになったそうです。
また、腰ポケットに蓋 (フラップ) を付けてはいけません。ファンシーなタキシードで良く見ますが本来室内で着用する洋服に、雨風を防ぐフラップが付いているのはおかしく、同様にノーベントでないと正式ではありません。
パンツは側章と呼ばれるラペルと同じシルクを脇に配します。洋服業界では縫い代は“傷”という考え方があり、パンツの外側の脇線を隠そうという事から付けられるようになったようです。股側はどうやねん、ジャケットはどうやねん、と突っ込まれると困るのですが、そういうものだからそういうものなのですでご納得ください (笑) 。
裾の仕上げは必ずシングル。ダブルよりもフォーマル度の高いものを選びます。
タキシードの合わせ方について。タキシードは準礼装で、モーニングやテールコートの正礼装よりもカジュアルです。シャツの襟はウイングカラーでもレギュラーカラー等の2枚襟どちらでも問題はなく、フロントのスタッドボタンも簡略化させる場合があります。Uの字型の開きが広いベストは、カマーバンドで代用しています。
靴もオペラパンプスやエナメルのホールカットが映えるのでしょうが、黒のストレートチップを磨き上げていれば日本国内ではなんら問題無いです (実際に着用する際には磨いておきます) 。
最低限の合わせ方をして、タキシードをご着用頂ければと思います。
いかがでしたでしょうか。オーダーで作るクラシカルなタキシードのご紹介でございました。
EGRETではこういったタキシードだけでなく、通常のスーツのラペルに拝絹を取り付けさせていただき、後日スーツとしてご着用いただけるサービスもご提供しております。本格的なタキシードをお考えの方はもちろんのこと、式典後にスーツとして着用できるタキシードをお考えの方は是非一度お問合せいただけますと幸いです。
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