【プレステージオプション】クセ処理やイセ処理を行うとどうなるのか?
本日はスーツの小ネタ。
まずはこちらの動画をご覧ください。
前半部分では背中心のダーツ分量を肩甲骨に逃がしており、後半部分で肩線のイセ処理を行っています。
紳士服のジャケットは基本的に3面体といい、前・脇・後身頃が左右にある形で構成され、洋服の構造上、接いでいる (縫製している) 箇所やダーツの位置で立体になります。つまりそれ以外の人体で出っ張ている箇所 (肩甲骨や前肩、お尻、ふくらはぎ等) に接ぎが無ければ布が身体に当たっている (負荷を与えている) 事となります。
これを改善させるために、アイロンでクセ処理を行い、接いでいる箇所の丸みを他の部分に持ってくる事でより身体に合った洋服を作ることが可能となります。
パンツをイメージしていただくとより分かりやすいです。パンツは前後に分かれたパーツを左右の縫い代で接ぎます。
ワタリ寸法を維持したまま、お尻の付け根部分を細くしようとした場合、図の赤線のようにえぐりたくなるものですが、これでは前から見ると細くなりますが付け根部分は接ぎ個所ではないため効果はありません。黒と赤の差寸分のダーツ分量をお尻に持ってくる事ですっきりと見せる事ができるようになります。
クセ処理を行ったものはチェック柄の洋服だとすぐに分かります。クセ処理を行う事によりこれだけ歪曲し、洋服自体の丸さが際立ちます。このクセ処理は、当店のフルハンドメイドレーベルでは標準仕様、MTMのクラシコレーベルでもプレステージオプションとして付け加えて頂けます。
カスタムレーベル、クラシコレーベルでお使いしている工房はどちらも技術のあるしっかりとしたところです。このクセ処理のイメージと致しましては、仕立ての良い洋服がさらにパワーアップするとお考えいただければと思います。
中々分かりにくい部分でございますので、ご不明な点等ございましたらお気軽にお問い合わせいただけますと幸いです。
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